正直接の記録なし — 魏の金城太守としての役割から推定魏書 巻28 §67
楊欣
人物紹介
楊欣は魏の金城太守である。正史には独立した伝がなく、魏書巻28王毌丘諸葛鄧鍾伝の鄧艾の記録に見える。陳寿の本文は彼の字・出身・死を記していない。 正史 魏書 巻28 §67–68
景元4年(263)に魏が蜀を討ったとき、鄧艾の命を受けて甘松へ向かい、鍾会の軍が漢中に入ったと聞いて退く姜維を追って強川口で大いに戦い、姜維は敗走した。巻28の評は彼を取り上げていない。演義では第116回に鄧艾が呼び集めた金城太守として登場し、120回のうち1回に現れるが、名が回目に入った回はない。演義は、彼が甘松の諸陣営を焼き払い、強川口で姜維と対峙してただ一合で敗れて逃げる姿を描く。 正史 魏書 巻28 §67–68 · 140演義 第116回 §6 · 36 · 39
正史の記録
景元3年(262)、鄧艾は侯和で姜維を破り、姜維は退いて沓中を守った。4年(263)秋、詔により諸軍に蜀を討たせ、大将軍司馬昭がすべてを指揮して節度を授けた。鄧艾は姜維と対峙してこれを釘付けにし、雍州刺史諸葛緒は姜維を遮って帰れないようにする役を担った。 正史 魏書 巻28 §67
鄧艾は天水太守王頎らを遣わして姜維の陣営を直接攻めさせ、隴西太守牽弘らにはその前を遮らせ、金城太守楊欣らは甘松へ向かわせた。 正史 魏書 巻28 §67
姜維は鍾会の諸軍がすでに漢中に入ったと聞き、軍を率いて退却した。楊欣らがその後を追って強川口に至り、大いに戦うと、姜維は敗走した。姜維は雍州の軍がすでに道を塞いで橋頭に駐屯したと聞き、孔函谷から北道に入って雍州軍の背後に出ようとした。諸葛緒がこれを聞いて30里退くと、北道に30余里入っていた姜維はすぐに引き返して橋頭を通り過ぎた。姜維はついに東へ退き、剣閣に戻って守った。 正史 魏書 巻28 §68–69
陳寿の本文で楊欣が見えるのはこの箇所だけで、彼の字・出身・その後のことは記されていない。巻28の評は王淩・毌丘倹・諸葛誕・鍾会・鄧艾を論じるだけで、楊欣を挙げていない。 正史 魏書 巻28 §67–68 · 140
演義の描写
演義第116回で、隴西にいた鄧艾は蜀を討てとの詔を受けると、司馬望に羌人を防がせ、雍州刺史諸葛緒・天水太守王頎・隴西太守牽弘・金城太守楊欣に人を遣わして、それぞれ率いる兵を連れて来て命令を聞くようにさせる。鍾会の檄文が届くと、鄧艾は諸葛緒に姜維の帰り道を断たせ、王頎と牽弘にそれぞれ1万5千を与えて左右から沓中を攻めさせ、楊欣には1万5千人を率いて甘松で姜維の背後を遮らせる。 演義 第116回 §6 · 8
沓中で姜維が王頎を追い、牽弘や鄧艾の軍と入り乱れて戦っているうちに、甘松の諸陣営がすべて金城太守楊欣に焼き払われたという知らせが来る。姜維が夜を日に継いで甘松を救いに来て出くわすと、楊欣はあえて戦わずに山道を目指して逃げ、追った姜維は岩の上から雨のように降り注ぐ木や石に阻まれて進めない。 演義 第116回 §34–37
漢中を失ったという知らせに陣を払って退いていた姜維がその夜強川口に至ると、楊欣が兵を並べて行く手を阻む。楊欣はただ一合で敗れて逃げ、姜維が続けざまに射た3本の矢はすべて外れる。弓を折り槍をしごいて追う姜維の馬が前足を踏み外し、姜維が地面に投げ出されると、楊欣は馬を返して彼を殺しに駆け寄る。しかし跳ね起きた姜維の槍が楊欣の乗る馬の頭に突き刺さり、後ろから押し寄せた魏軍が楊欣を救い出す。演義で楊欣の名が見えるのはこの回だけである。 演義 第116回 §38–40
演義と異なる点
甘松:演義第116回で楊欣は1万5千人を率いて甘松で姜維の背後を遮り、甘松の諸陣営を焼き払う。正史の鄧艾の記録は金城太守楊欣らを甘松へ向かわせたと記すだけで、兵数や陣営を焼いたことは記さない。 演義 第116回 §8 · 36正史 魏書 巻28 §67
山道の戦い:演義第116回で、甘松を救いに来た姜維を避けて楊欣が山道へ逃げ、追った姜維は岩の上から降り注ぐ木や石に阻まれる。正史の鄧艾の記録にはこの戦いはない。 演義 第116回 §37正史 魏書 巻28 §67–68
強川口の戦いの結果:演義第116回で楊欣は強川口で姜維と対峙してただ一合で敗れて逃げ、乗っていた馬を姜維の槍で突かれたのち魏軍に救い出される。正史では楊欣らが退く姜維を追って強川口に至り大いに戦い、敗走したのは姜維の方であった。 演義 第116回 §39–40正史 魏書 巻28 §68
強川口の戦いの前後:演義第116回で姜維は甘松を救いに来たのち、漢中を失ったという知らせを聞いて退く途中、強川口で楊欣に出会う。正史では姜維が鍾会の諸軍がすでに漢中に入ったと聞いて退くと、楊欣らがその後を追って強川口で戦った。甘松で姜維と楊欣が出くわしたことは正史にない。 演義 第116回 §37–39正史 魏書 巻28 §67–68
3KDEX執筆(検収前) — 段落末の表示は、根拠となった正史の巻・演義の回のその節へつながる。
能力値
正史(陳寿『三国志』本文)の点数が基準です。演義が同じ人物をどう描き直したかを項目ごとに比べ、二つの原典の根拠で違いを説明します。
- 統率6660−6
- 武力4535−10
- 知力4542−3
- 政治4542−3
- 魅力4038−2
- 徳4545±0
- 処世4545±0
- 文芸3533−2
- 弁舌3533−2
- 用人3533−2
演義が作った能力値 — 正史と異なる点 差が10点以上
近い項目 9件 — 根拠を見る
正甘松へ進み、姜維を強川口まで追って大いに戦い、敗走させた魏書 巻28 §67魏書 巻28 §68
正直接の記録なし — 魏の金城太守としての役割から推定魏書 巻28 §67
演直接の記録なし — 魏の金城太守としての役割から推定第116回 §8
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正直接の記録なし — 魏の金城太守としての役割から推定魏書 巻28 §67
演直接の記録なし — 魏の金城太守としての役割から推定第116回 §8
正直接の記録なし — 魏の金城太守としての役割から推定魏書 巻28 §67
演直接の記録なし — 魏の金城太守としての役割から推定第116回 §8
正史 演義 推定 直接の記録がなく、事績から採点した値(根拠等級C)
3KDEX採点 — 正史は陳寿『三国志』本文、演義は『三国志演義』120回本文が根拠。根拠の表示を押すと原文リーディングのその節へ移動します。