耿武
| 職業 | 正演文官 · 長史 | 所属 | |
|---|---|---|---|
| 登場 | 正演 | 収録 | |
| 死因 | 演殺害 推定 | ||
| 実在 | 実在 | 言及 | 正1回 |
人物紹介
耿武は冀州牧韓馥の長史であった。袁紹の送った人々が韓馥に冀州を袁紹に譲るよう説くと、別駕閔純・治中李歴とともに、冀州は兵と穀物が豊かであり、袁紹は孤立した客で困窮した軍であるとして、州を明け渡さないよう諫めたが、韓馥は聞き入れなかった。 正史 魏書 巻6 §40 · 42
陳寿の本文で耿武が登場するのはこの一場面だけであり、字・出身やその後の事績は記されていない。演義には第7回の1回にのみ登場し、名が回目に入った回はない。演義は、諫言が容れられないと彼が別駕関純とともに城外に潜んで袁紹を刺し殺そうとし、袁紹の将顔良にその場で斬られると描く。 正史 魏書 巻6 §42演義 第7回 §5–7
正史の記録
袁紹が勃海で兵を起こして盟主となったのち、冀州牧韓馥は安平に駐屯していて公孫瓚に敗れた。公孫瓚は董卓討伐を名目に冀州に入ったが内心では韓馥を襲おうとしており、韓馥は不安になった。ちょうど董卓が西の関中に入ると、袁紹は延津に軍を返し、陳留の高幹と潁川の荀諶らに韓馥を説かせた。荀諶は、公孫瓚の鋭鋒には当たれず、袁氏は将軍の下にいようとはしないだろうから、冀州を袁氏に譲れば賢者に譲ったという名声を得て、身は泰山のように安らかであろうと言った。平素から臆病であった韓馥はその策をもっともだと考えた。 正史 魏書 巻6 §39–42
このとき韓馥の長史耿武は、別駕閔純・治中李歴とともに韓馥を諫めた。冀州は辺鄙ではあるが武装兵が百万、穀物は10年を支えるに足り、袁紹は孤立した客で困窮した軍であってわれらの鼻息をうかがっており、手のひらの上の赤子のようなもので、乳を断てばたちまち餓死させることができるのに、どうして州を彼に与えようとするのか、というのである。韓馥は、自分は袁氏の旧臣で才も本初に及ばず、徳を量って譲るのは古人の尊んだところであると言って彼らを咎めた。 正史 魏書 巻6 §42
従事の趙浮と程奐が兵で袁紹を防ぎたいと願い出たが、韓馥はこれも聞き入れずついに袁紹に譲り、袁紹が冀州牧を兼ねた。陳寿の本文はその後耿武がどうなったかを記さない。 正史 魏書 巻6 §43
演義の描写
演義第7回で、河内に兵を駐屯させた袁紹は兵糧が足りず、冀州牧韓馥が送ってくる兵糧を受け取る。謀士逢紀の計に従って、袁紹は公孫瓚に手紙を送り、ともに冀州を攻めて土地を等しく分けようと持ちかけ、公孫瓚が兵を起こすと、今度は人をやってひそかに韓馥に知らせる。慌てて荀諶と辛評を集めて協議した韓馥に、荀諶は袁本初を招いてともに州の事を治めさせれば公孫瓚を憂えることはないと勧める。 演義 第7回 §2–4
韓馥が別駕関純を送って袁紹を招こうとすると、長史耿武が諫める。袁紹は孤立した客で困窮した軍であり、われらの鼻息をうかがっていて、手のひらの上の赤子のようなもので乳を断てばたちまち餓死するのに、どうして州の事を彼に任せようとするのか、これは虎を羊の群れに引き入れるものだと言う。韓馥が、自分は袁氏の旧臣で才能も本初に及ばないと言い、諸君はなぜ妬むのかと言うと、耿武は「冀州はおしまいだ!」と嘆く。こうして職を捨てて去る者が30余人に及んだが、耿武と関純だけは城外に潜んで袁紹を待ち受ける。 演義 第7回 §5–6
数日後、袁紹が兵を率いて到着すると、耿武と関純は刀を抜いて出て、袁紹を刺し殺そうとする。袁紹の将顔良がその場で耿武を斬り、文醜が関純を斬り殺す。袁紹は冀州に入って韓馥を奮威将軍とし、田豊・沮授・許攸・逢紀に州の事を分担させて韓馥の権力をすべて奪う。演義で耿武が登場するのは第7回のこの場面だけである。 演義 第7回 §7
演義と異なる点
ともに諫めた人:演義第7回では長史耿武が一人で韓馥を諫め、別駕関純は袁紹を招きに遣わされる人物として登場する。正史では長史耿武・別駕閔純・治中李歴の三人がともに諫めた。 演義 第7回 §5正史 魏書 巻6 §42
諫言の言葉:演義第7回の耿武は、袁紹を手のひらの上の赤子にたとえたのち、「虎を羊の群れに引き入れるもの」という言葉を加える。正史の諫言は、同じたとえの前に冀州の武装兵が百万で穀物が10年を支えるに足るという言葉をまず述べ、虎と羊の群れのたとえはない。 演義 第7回 §5正史 魏書 巻6 §42
諫言の後の冀州の官吏たち:演義第7回では、韓馥が聞き入れないので職を捨てて去る者が30余人であったという。陳寿の本文は、耿武らの諫言の後に従事の趙浮と程奐が兵で袁紹を防ぎたいと願い出たが、韓馥が聞き入れなかったと記す。 演義 第7回 §6正史 魏書 巻6 §43
最期:演義第7回で耿武は関純とともに城外に潜んで袁紹を刺し殺そうとし、顔良にその場で斬られる。陳寿の本文で耿武は韓馥を諫める場面にのみ登場し、袁紹を刺そうとしたことと彼の死は記されていない。 演義 第7回 §6–7正史 魏書 巻6 §42–43
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能力値
正史(陳寿『三国志』本文)の点数が基準です。演義が同じ人物をどう描き直したかを項目ごとに比べ、二つの原典の根拠で違いを説明します。
- 統率3531−4
- 武力3335+2
- 知力5855−3
- 政治4540−5
- 魅力3842+4
- 徳4870+22
- 処世4030−10
- 文芸3533−2
- 弁舌5045−5
- 用人3835−3
演義が作った能力値 — 正史と異なる点 差が10点以上
近い項目 8件 — 根拠を見る
正史 演義 推定 直接の記録がなく、事績から採点した値(根拠等級C)
3KDEX採点 — 正史は陳寿『三国志』本文、演義は『三国志演義』120回本文が根拠。根拠の表示を押すと原文リーディングのその節へ移動します。