袁遺
人物紹介
袁遺は袁術の従兄で、山陽太守であった。初平元年(190)正月、袁術・韓馥・袁紹らとともに同時に兵を挙げて袁紹を盟主に推し、2月には張邈・劉岱・橋瑁とともに酸棗に駐屯した。 正史 魏書 巻1 §7–8正史 魏書 巻12 §42
陳寿の本文はそのほかに、袁遺の母が何夔の従姑であったため、袁術が何夔を恨みながらも害さなかったという件を何夔の伝に記すだけで、袁遺の字・本籍・死は記さない。 正史 魏書 巻12 §42
演義では第5回、曹操の檄文に呼応した諸侯のうち第八鎮「山陽太守袁遺」として初めて登場し、全120回のうち1回に登場する。回目に名が入った回はない。虎牢関へ向かう八路の諸侯の一人で、橋瑁とともに呂布に敗れた王匡を救う。 演義 第5回 §8 · 42 · 44
正史の記録
初平元年(190)春正月、後将軍袁術・冀州牧韓馥・豫州刺史孔伷・兗州刺史劉岱・河内太守王匡・勃海太守袁紹・陳留太守張邈・東郡太守橋瑁・山陽太守袁遺・済北相鮑信が同時にみな兵を挙げた。衆はそれぞれ数万で、袁紹を盟主に推した。太祖(曹操)は奮武将軍を代行した。 正史 魏書 巻1 §7
2月、董卓は兵が起こったと聞いて天子を移して長安に都させ、自らは洛陽に留まって駐屯し、宮室を焼いた。このとき袁紹は河内に、張邈・劉岱・橋瑁・袁遺は酸棗に、袁術は南陽に、孔伷は潁川に駐屯し、韓馥は鄴にいた。董卓の兵が強かったので、袁紹らは誰もあえて先に進もうとしなかった。 正史 魏書 巻1 §8
のちに西へ進んで董卓の将と戦って利を得なかった太祖が酸棗に至ると、諸軍の兵は十余万であったが、毎日酒宴を設けて盛大な宴会を開くばかりで、進んで攻めようとは考えなかった。太祖は彼らを責め、酸棗の諸将は成皋を守り、敖倉を押さえ、轘轅と太谷を塞ぐようにという計を出したが、張邈らはその計を用いることができなかった。 正史 魏書 巻1 §9 · 11–12
のちに袁術が同郡の人である何夔を脅して蘄陽を説得させようとすると、何夔は灊山に逃げて隠れた。袁術の従兄である山陽太守袁遺の母が何夔の従姑であったので、袁術は何夔を恨みながらも害さなかった。 正史 魏書 巻12 §42
陳寿の本文で袁遺は武帝紀と何夔の伝のこれらの箇所にしか出てこず、彼の字・本籍とその後の事績・死は記されていない。 正史 魏書 巻1 §7–8正史 魏書 巻12 §42
演義の描写
演義第5回で、曹操の偽の詔を受けた袁紹が兵三万を率いて会盟に来て、曹操が檄文を作って諸郡に送ると、各鎮の諸侯がみな兵を挙げて呼応する。袁遺はその第八鎮「山陽太守袁遺」として名が挙がり、諸路の軍馬はそれぞれ文官と武将を率いて洛陽へ向かう。 演義 第5回 §6–9
董卓が虎牢関に兵を駐屯させると、袁紹は曹操の言に従って軍の半分で迎え撃つことにし、王匡・橋瑁・鮑信・袁遺ら八路の諸侯を虎牢関へ送る。先に着いた王匡の兵が呂布に大敗して散り散りになると、橋瑁と袁遺の両軍が到着して王匡を救い、呂布はようやく退く。三路の諸侯はそれぞれ人馬を失い、30里退いて陣営を構える。演義で袁遺の名が出てくるのはこの回だけである。 演義 第5回 §41–42 · 44–45
演義と異なる点
挙兵の経緯:演義第5回で袁遺は、曹操が送った檄文に呼応して兵を挙げた諸侯のうちの第八鎮である。正史の武帝紀は、初平元年(190)正月に袁術・韓馥・袁紹・袁遺らが同時にみな兵を挙げて袁紹を盟主に推したと記し、曹操が檄文を送ったという話はない。 演義 第5回 §7–8正史 魏書 巻1 §6–7
駐屯地と戦い:演義第5回では、袁紹が袁遺を虎牢関へ送り、袁遺は橋瑁とともに王匡を救って呂布を退かせる。正史の武帝紀で袁遺は張邈・劉岱・橋瑁とともに酸棗に駐屯し、酸棗の諸軍は毎日酒宴を開くばかりで進んで攻めなかった。袁遺が戦った記録はない。 演義 第5回 §42 · 44正史 魏書 巻1 §8 · 11–12
袁術との関係:演義には、袁遺が袁術の従兄であるという話は出てこない。正史の何夔の伝は彼を「袁術の従兄である山陽太守袁遺」と呼び、その母が何夔の従姑であったため、袁術が何夔を害さなかったと記す。 演義 第5回 §8正史 魏書 巻12 §42
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能力値
正史(陳寿『三国志』本文)の点数が基準です。演義が同じ人物をどう描き直したかを項目ごとに比べ、二つの原典の根拠で違いを説明します。
- 統率4050+10
- 武力3335+2
- 知力4038−2
- 政治4840−8
- 魅力4240−2
- 徳4548+3
- 処世4040±0
- 文芸4538−7
- 弁舌3835−3
- 用人3835−3
演義が作った能力値 — 正史と異なる点 差が10点以上
近い項目 9件 — 根拠を見る
正史 演義 推定 直接の記録がなく、事績から採点した値(根拠等級C)
3KDEX採点 — 正史は陳寿『三国志』本文、演義は『三国志演義』120回本文が根拠。根拠の表示を押すと原文リーディングのその節へ移動します。