何苗
人物紹介
何苗は大将軍何進の弟で、車騎将軍であった。正史には独立した伝がなく、陳寿の本文では魏書巻6の董二袁劉伝の董卓の記録と、巻26の満田牽郭伝の牽招の記録に一度ずつ見える。霊帝が崩御したのち何進が敗れて都に乱が起こったとき、何進の配下に殺された。 正史 魏書 巻6 §5–6正史 魏書 巻26 §44
陳寿の本文は彼の字・出身・年齢を記さず、二つの巻の評でも彼を取り上げていない。演義では第2回に何進の弟として初めて登場し、120回のうち2回に現れるが、名が回目に入った回はない。十常侍の賄賂を受けて何太后の前で宦官をかばい、第3回で何進の部将呉匡に兄を害することに加担したと言われ、皆に取り囲まれて殺される。 正史 魏書 巻6 §96–97正史 魏書 巻26 §80演義 第2回 §49 · 51演義 第3回 §15–16
正史の記録
霊帝が崩御して少帝が即位すると、大将軍何進は司隷校尉袁紹とともに宦官たちを誅殺しようと謀ったが、太后は従わなかった。何進は董卓を呼んで兵を率いて京師に来させ、太后を脅そうとしたが、董卓が到着する前に何進は敗れた。武帝紀はこの年が中平6年(189)であったと記す。 正史 魏書 巻6 §5–6正史 魏書 巻1 §5–6
中常侍段珪らが皇帝を脅して小平津へ逃れると、董卓は北芒で皇帝を迎えて宮中に戻った。このとき何進の弟の車騎将軍何苗が何進の配下に殺された。何進と何苗の部曲は属するところがなく、みな董卓のもとへ行き、董卓はさらに呂布に執金吾丁原を殺させてその兵を併せたので、都の兵権はただ董卓だけにあることになった。 正史 魏書 巻6 §6
牽招の記録にも何苗が見える。牽招が十余歳で学んだ同県の楽隠がのちに車騎将軍何苗の長史になると、牽招は従って学業を終えた。おりしも都で乱が起こって何苗と楽隠が殺されると、牽招は楽隠の門下生史路らとともに刃をかいくぐって飛び込み、楽隠の遺体を納棺して、葬列を守って郷里へ帰った。陳寿の本文で何苗が見えるのはこの二か所だけである。 正史 魏書 巻26 §44
演義の描写
演義第2回で、何進が董太后を河間へ送り出し、禁軍で驃騎将軍董重の屋敷を囲むと、董重は自ら首をはねて死ぬ。董太后の側が崩れたのを見た張譲と段珪は、金銀財宝と珍しい品で何進の弟何苗とその母舞陽君を籠絡し、朝夕何太后のもとに入って善い言葉で自分たちをかばわせる。こうして十常侍は再び寵愛を得る。 演義 第2回 §48–49
袁紹がこの機に宦官を殺すよう勧めると、何進はもう少し相談しようと言う。左右がこれをひそかに張譲に知らせ、張譲らはそれを何苗に伝えてまた賄賂をたっぷり贈る。何苗は何太后のもとに入り、大将軍は新しい君主を補佐しながら仁政を行わず、ひたすら殺すことに努め、今また理由もなく十常侍を殺そうとしているが、これは乱を招く道であると申し上げる。何太后はその言葉を容れ、宦官を殺したいという何進の願いを退ける。 演義 第2回 §50–52
第3回で、何進が太后の召しを受けて宮中に入り、嘉徳殿の門で張譲らの刺客に殺されると、何進の部将呉匡は青瑣門の外に火を放つ。呉匡が内庭に攻め込むと、何苗も剣を提げて出てくるところであった。呉匡が、何苗は兄を害することに加担したのだからともに殺すべきだと叫ぶと、人々もみな兄を謀った賊を斬ろうと言う。何苗は逃げようとしたが、四方を囲まれて切り刻まれる。 演義 第3回 §10–11 · 13 · 15–16
演義と異なる点
宦官との関係:演義第2回で何苗は張譲・段珪の賄賂を受けて何太后の前で宦官をかばい、何進の宦官誅殺を阻む。正史の陳寿の本文は、何進が宦官たちを誅殺しようとしたが太后が従わなかったと記すだけで、何苗が太后に進言したとか賄賂を受けたという記録はない。 演義 第2回 §49 · 51正史 魏書 巻6 §5 · 34
死:演義第3回では、何進の部将呉匡が、何苗は兄を害することに加担したと叫び、何苗は皆に取り囲まれて切り刻まれる。正史の陳寿の本文は、何進の弟の車騎将軍何苗が何進の配下に殺されたと記すだけで、誰が先頭に立ったのかとその理由は記さない。 演義 第3回 §15–16正史 魏書 巻6 §6
官職:演義は何苗を何進の弟とだけ呼び、官職を明らかにしない。正史で何苗は車騎将軍であり、牽招の師楽隠がその長史であった。 演義 第2回 §49演義 第3回 §15正史 魏書 巻6 §6正史 魏書 巻26 §44
その後:演義第3回は、何苗が死んだのち彼の兵がどうなったかを記さない。正史では、何進と何苗の部曲は属するところがなく、みな董卓のもとへ行き、これによって都の兵権が董卓に集まった。 演義 第3回 §16正史 魏書 巻6 §6
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能力値
正史(陳寿『三国志』本文)の点数が基準です。演義が同じ人物をどう描き直したかを項目ごとに比べ、二つの原典の根拠で違いを説明します。
- 統率4030−10
- 武力3531−4
- 知力3528−7
- 政治3830−8
- 魅力3525−10
- 徳4018−22
- 処世3822−16
- 文芸3331−2
- 弁舌3545+10
- 用人4230−12
演義が作った能力値 — 正史と異なる点 差が10点以上
正直接の記録なし — 楽隠を長史に用いたことから推定魏書 巻26 §44
演直接の記録なし — 外戚であることから推定第2回 §49
近い項目 4件 — 根拠を見る
正直接の記録なし — 外戚の将軍職から推定魏書 巻26 §44
演直接の記録なし — 外戚であることから推定第2回 §49
正史 演義 推定 直接の記録がなく、事績から採点した値(根拠等級C)
3KDEX採点 — 正史は陳寿『三国志』本文、演義は『三国志演義』120回本文が根拠。根拠の表示を押すと原文リーディングのその節へ移動します。