張音
人物紹介
張音は漢末の官人である。正史には独立した伝がなく、陳寿の本文では魏書巻2文帝紀に一度名が見える。延康元年(220)冬、漢の皇帝が魏に位を譲ったとき、兼御史大夫として節を持ち、璽綬を奉じて魏王曹丕に位を禅る役を務めた。陳寿の本文は彼の字や出身、その前後の事績を記していない。 正史 魏書 巻2 §1 · 12–13
演義では全120回のうち第80回の1回にのみ登場し、回目に名が入った回はない。曹丕が最初の禅譲の詔を辞退すると、献帝が遣わした高廟使として登場し、玉璽を奉じて魏王宮に至り、詔では行御史大夫と記される。賈詡の策に従った曹丕が璽綬を持ち帰らせると、帰って献帝に奏上する。 演義 第80回 §16–19
正史の記録
延康元年(220)冬、漢の皇帝は衆望が魏にあることから、群公卿士を召して高廟に告げる祭祀を行い、兼御史大夫の張音に節を持たせ、璽綬を奉じて位を禅らせた。 正史 魏書 巻2 §1 · 12–13
その策文は、帝堯が虞舜に位を禅り、舜もまた禹に命を伝えたように、天命は一所にとどまらず、ただ徳ある者に帰すると述べた。続いて武王の神武によって宗廟が保たれたことと、王が先代の業を謹んで継いだことを挙げ、唐堯の典に従って謹んで位を譲るので、大礼に従って天命を奉ぜよと述べた。 正史 魏書 巻2 §13–15
こうして繁陽に壇が築かれた。庚午の日、王は壇に登って帝位に即き、百官が陪席し、延康を改めて黄初とし、大赦を行った。陳寿の本文で張音の名が見えるのは、この禅譲の一節だけである。 正史 魏書 巻2 §16 · 13
演義の描写
演義第80回で、華歆らに迫られた献帝は陳群に国を禅る詔の草案を書かせ、華歆に詔と玉璽を奉じさせ、百官を率いて魏王宮に献納させる。曹丕はすぐに受けようとするが、司馬懿の諫めに従って上表して謙遜し辞退する。 演義 第80回 §12 · 15
献帝はやむなく再び桓階に詔の草案を書かせ、高廟使の張音を遣わして節を持ち玉璽を奉じて魏王宮に至らせる。その詔は虞舜と大禹が帝位を禅られたことを挙げ、行御史大夫張音に節を持たせて皇帝の璽綬を奉じさせるので、王は受けよと述べる。 演義 第80回 §16–17
曹丕は、二度詔があっても結局は簒奪の名を免れないのではないかと恐れると言い、賈詡は、再び張音に璽綬を持ち帰らせ、華歆に命じて漢帝に受禅壇を築かせるよう勧める。曹丕は張音に璽綬を持ち帰らせ、再び表を作って辞退し、張音は帰って献帝に奏上する。 演義 第80回 §18–19
献帝は繁陽に三層の高い壇を築かせ、10月庚午の日の寅の刻を禅譲の日に選ぶ。その日、献帝が自ら玉璽を奉じて差し出すと曹丕はこれを受け、策文の読み上げが終わると帝位に即き、延康元年を黄初元年と改める。この場面で演義は張音の名を再び挙げない。 演義 第80回 §19–20 · 23
演義と異なる点
官職:演義第80回で張音は献帝が遣わした高廟使として登場し、詔では行御史大夫と記される。正史の文帝紀では兼御史大夫である。 演義 第80回 §16–17正史 魏書 巻2 §13
玉璽の往来:演義第80回では、華歆が最初の詔と玉璽を献じたのち張音が二度目の詔と玉璽を持っていき、曹丕が再び辞退すると張音が璽綬を持ち帰って献帝に奏上し、そのあとでようやく受禅壇で献帝が自ら玉璽を差し出す。陳寿の本文の文帝紀では、漢の皇帝が高廟に告げる祭祀を行い、張音に璽綬を奉じて位を禅らせたのち、繁陽に壇を築いて王が帝位に即いており、曹丕が辞退して玉璽を返したことは記されていない。 演義 第80回 §12 · 16 · 19–20正史 魏書 巻2 §13 · 16
策文:演義第80回では、帝堯の禅譲を挙げて「謹んで爾に位を遜る」と述べる策文は、受禅壇で献帝が玉璽を差し出したのちに読み上げられ、張音が持っていった詔は虞舜と大禹の禅譲を挙げる別の文である。正史の文帝紀では、その策文は張音が節を持ち璽綬を奉じて赴くときの策文である。 演義 第80回 §16–17 · 20–22正史 魏書 巻2 §13–15
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能力値
正史(陳寿『三国志』本文)の点数が基準です。演義が同じ人物をどう描き直したかを項目ごとに比べ、二つの原典の根拠で違いを説明します。
- 統率3131±0
- 武力3131±0
- 知力4038−2
- 政治4540−5
- 魅力4038−2
- 徳4240−2
- 処世4545±0
- 文芸4542−3
- 弁舌4848±0
- 用人3533−2
演義が作った能力値 — 正史と異なる点 差が10点以上
10点以上の差がある項目はありません — 演義も正史とほぼ同じように描いています。
近い項目 10件 — 根拠を見る
正史 演義 推定 直接の記録がなく、事績から採点した値(根拠等級C)
3KDEX採点 — 正史は陳寿『三国志』本文、演義は『三国志演義』120回本文が根拠。根拠の表示を押すと原文リーディングのその節へ移動します。