孟節
人物紹介
孟節は演義第89回に登場する隠者で、孟獲の長兄である。万安渓という渓流のほとりの草庵に住み、数十年余りも渓の外へ出ないため、万安隠者と呼ばれる。 演義 第89回 §31–32 · 38
禿龍洞に退いた孟獲を追う蜀軍が唖泉の水を飲んで口がきけなくなると、諸葛亮は山神に教えられたとおり彼を訪ね、孟節は草庵の裏の泉の水と薤葉芸香の葉を与えて兵たちを救う。彼は、二人の弟が王化に従わず、たびたび諫めても聞かなかったので名と姓を変えて隠れ住んできたと明かし、王に立てようという諸葛亮の言葉も、金と絹も、すべて辞退する。 演義 第89回 §24–26 · 31–33 · 36–40
演義120回のうち第89回の1回にのみ登場し、名が回目に入った回はない。陳寿の本文の諸葛亮伝は、建興3年(225)春に南方を征伐し、その秋にことごとく平定したと記すのみで、孟節は陳寿の本文にも裴松之の注にも見えない。 演義 第89回 §38正史 蜀書 巻5 §24
演義の描写
演義第89回で、孟獲は弟孟優の言葉に従い、禿龍洞の朶思大王を頼る。朶思大王は、東北の大道を塞げば蜀軍は西北の小道から入り、唖泉など四つの毒泉の水を飲むことになると言う。諸葛亮は兵を退こうという蒋琬の言葉を退け、王平に兵数百を与えて西北の小道を探させるが、泉の水を争って飲んだ兵たちは、本陣に着くころにはみな口がきけなくなり、ただ口を指さすばかりである。 演義 第89回 §18–21 · 25–26
諸葛亮は漢の伏波将軍馬援の廟に祈ったのち、杖をついてやって来た老人から、四つの泉の毒は薬でも治せないと聞く。老人は、真西へ数里の山の谷に20里入ると万安渓という渓流があり、そのほとりに数十年のあいだ渓の外へ出たことのない万安隠者が住んでいると教える。その草庵の裏の安楽泉の水を飲めば毒はたちまち治り、草庵の前の薤葉芸香の葉を一枚口に含めば瘴気に染まらないというのである。老人は、自分は伏波将軍の命を受けたこの地の山神であると言い、廟の裏の石壁の中へ入っていく。 演義 第89回 §27–33
翌日、諸葛亮が香と礼物を整え、王平と口のきけなくなった兵たちを率いて訪ねると、白い袍に黒い帯を締め、碧い眼に黄色い髪の人物が喜んで出てきて「おいでになったのは漢の丞相ではありませんか」と問う。諸葛亮が神水を請うと、隠者は草庵の裏の泉の水を飲ませる。童子が兵たちを渓のほとりへ連れて行き、水を汲んで飲ませると、兵たちは悪い涎を吐き出してすぐに口がきけるようになり、童子はさらに兵たちを万安渓で沐浴させる。 演義 第89回 §34–36
隠者は柏の実で淹れた茶と松花の菜で諸葛亮をもてなし、この辺りの蛮洞には毒蛇や毒サソリが多く、柳の綿毛が渓流や泉に舞い込むので水が飲めず、地を掘って泉を作り、汲んで飲まなければならないと教える。諸葛亮が薤葉芸香を求めると、兵たちに思う存分摘み取らせ、各自が葉を一枚口に含めば瘴気は侵さないだろうと言う。 演義 第89回 §37
諸葛亮が拝して名を問うと、隠者は笑って、自分は孟獲の兄孟節であると明かす。同じ父母から生まれた三兄弟のうち長兄が自分で、次が孟獲、その次が孟優であり、二人の弟が強暴で王化に従わないので、たびたび諫めたが聞かなかったため、名と姓を変えてここに隠れ住んできたというのである。孟節は、不肖の弟が反乱を起こし、丞相に不毛の地の奥深くまで入る労をかけたのだから万死に値するとして、まず罪を請う。 演義 第89回 §38–39
諸葛亮は「今こそ盗跖と柳下恵のことが今の世にもあると信じられる」と嘆じ、天子に奏上して彼を王に立てようと思うがどうかと問う。孟節は、功名を嫌ってここへ逃れてきたのに、どうして再び富貴を貪る気持ちがあろうかと言って辞退し、諸葛亮が用意した金と絹も固く辞して受け取らない。演義はこの後、孟節を再び登場させない。 演義 第89回 §39–40
3KDEX執筆(検収前) — 段落末の表示は、根拠となった正史の巻・演義の回のその節へつながる。
能力値
陳寿『三国志』本文に記録がないため、演義の点数のみです。
- 統率31
- 武力31
- 知力60
- 政治40
- 魅力50
- 徳85
- 処世72
- 文芸45
- 弁舌40
- 用人40
項目別の根拠
演直接の記録なし — 隠棲した孟獲の兄であることから推定第89回 §38
演直接の記録なし — 隠棲した孟獲の兄であることから推定第89回 §38
演直接の記録なし — 隠棲した孟獲の兄であることから推定第89回 §38
演直接の記録なし — 隠棲した孟獲の兄であることから推定第89回 §38
演直接の記録なし — 隠棲した孟獲の兄であることから推定第89回 §38
演直接の記録なし — 隠棲した孟獲の兄であることから推定第89回 §38
演義 推定 直接の記録がなく、事績から採点した値(根拠等級C)
3KDEX採点 — 正史は陳寿『三国志』本文、演義は『三国志演義』120回本文が根拠。根拠の表示を押すと原文リーディングのその節へ移動します。